原作では、はっきりと「北朝鮮」と言ってますもの。
ノンフィクション作家(麻生幾)さんの同名小説の映画化でした。
題名が「宣戦布告」と強烈で 宣伝が「日本崩壊の危機」!!と
やたら煽っているので、時事ドキュメントもの好きの私は劇場へ直行。
ある日、平和な国ニッポンの福井県敦賀半島に不明の潜水艦が座礁した。
目的は判らぬが、武装した「北東人民共和国」の特殊工作部隊が上陸
潜入したことが判明した。日本にとって緊急事態である。
「北東人民共和国」と一応仮名の配慮はしたが、なんの事は無い!
この国は、今話題の悪名高き「北朝鮮」のことだ。
だって原作では、はっきりと「北朝鮮」と言ってますもの。
さて日本崩壊の危機と大袈裟宣伝であったが、何と!たかが11名の
敵兵進入に過ぎなかった。しかし、日本の現行法では、
こんな少人数でも退治するのが大変なことらしいのだ。
先般見た映画「突撃 浅間山荘事件」‘02でも武器使用が許可されず、
警官が殺された事を嘆いていたが、あの事件が起こったときから
30年経った今でも、未だこの銃器問題は解決されず、何ら変って
いない事に驚いた。
今回も警官がバタバタ殺され、手に負えないので遂に自衛隊が出動
しかし、拳銃の使用許可されない、十数人殺されて、やっと許可
さらに数十人殺されて手榴弾使用が許可、さらに数十人殺されて、
やっと新鋭機関砲付ヘリコプターが許可され、現場に飛んできて、
あっという間に敵を殲滅した。
はじめからこれを使えば何の事無いのに、後手後手に廻ってしまう。
それにしても北朝鮮兵の強いこと強いこと、自衛隊の弱いこと弱いこと、
私が防衛大臣なら、このシーンに対し断固抗議しますヨ
(古谷一行)が時の首相だが、一見「小泉首相」の風貌である、
しかし何となく優柔不断な性格の持ち主で、女房や情報室長から、
決断するのは貴方だ!と尻を叩かれる始末。
それから、時事ものをリアルに見せる欠かせない常連役者として
(佐藤慶)が官房長官、(夏八木勲)が内閣情報室長を演じていた。
緊急時でもスケベをする官僚(河原崎健三)首相秘書官もリアルだ。
日本映画では、時事ものの舞台は内閣の閣議と決まっている。
私は昔からこの閣議のシーン(東宝の8・16終戦もの、御前会議もの、
日本沈没もの、そしてゴジラものetc )が妙に好きなのです。
この映画も首相と各大臣や各省庁の利害が対立する場面があったが、
なぜ意思統一が出来ないか?もう少し各省庁の縄張り争いや、立場が
異なる理由を見せてくれれば、もっとリアルな映画となったろう。
防衛事務次官が六法全書片手に「出来ない 出来ない」主張していた。
まぁ法治国家と言いながらも 国家の第一義は1億3000万の国民を
守る事であって、六法全書を守る事では無いと思うのですが・・・
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