というわけでアザーズを観ました。
ミステリーやサスペンス映画を創ろうとする監督は、殆ど(アルフレッド・
ヒッチコック)映画(以下A.H)を観て育ったせいか皆、彼に挑戦
しようとします。昨今、ヒチコックのリメークものやA.H風味の作品が
大変多い、しかし、今まではどれも今一つという感じでありました。
今回もかなりA.H風味をねらった映画です。この作品はかなり、
いい線いってる。なんといってもヒロイン(ニコール・キッドマン)が
かってのA.H映画のヒロインを髣髴(ホウフツ)させるからだろう。
A.Hのヒロインはブロンドと髪型、そして正統派美人でなければない。
誰かナ? レベッカのジョーン・フォンテーンだろうか、泥棒成金の
グレース・ケリーだろうか、マーニーのテイッピ・ヘドレンにも見える。
この映画のヒロインの名がグレースだから、やはり(グレース・ケリー)
を意識したのでしょうネ。
キッドマンのブロンドと黒いドレスは正に正統派の美しさだった。
舞台は第二次大戦中、英国のジャージー孤島の大きな屋敷である。
洋館と謎めいた家政婦が登場することから「レベッカ」に近いと思った。
二人の幼い子供は、太陽の光を避けねばならない光アレルギー症である
青白い無辜の子供というものは、それ自体何か怖い存在でもある。
いずれにせよ、母と二人の幼子、そして謎のアザーズだけで十分
怖いが、さらに背景(洋館や霧)や小道具(ピアノやアルバム)など、
全て恐怖感に結び付ける旨い演出であった。
監督は?何と!スペインの(アレハンドロ・アメナーバル)だった。
あの「オープン・ユア・アイズ」('97)を創った奇才だ。
そのオープン・ユア・アイズのヒロインは(ぺネロペ・クルズ)だった。
(トム・クルーズ)はO.Yアイズのリメイク版「バニラ・スカイ」('01)
のヒロインにぺネロぺ・クルズを再起用した挙句、彼女と再婚した。
一方(富む・狂ゥーズ)と別れた妻(N・キッドマン)をヒロインにして
このアザーズを創ったのはO.Y.アイズの(アメナーバル)監督である。
我々アザーズ(部外者)には判らぬ不思議な4角関係と思った次第。
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