私の一番の楽しみは何と言っても「旅」をすること、
よって映画も「ロード・ムービー」が好きなジャンルであります。
アメリカ大陸は広い、よって米国映画ではロード・ムービー作品は多い。
洋画のロード・ムービーのベスト3と聞かれれば、三位「サイドウエイ」04,
二位「大災難P・T・A」'87,そして一位は「テルマ&ルィーズ」'91でしょう。
邦画のロード・ムービーは意外と少なく、山田洋次監督の作品に集中します。
ベスト3はと聞かれれば、三位「家族」'70, 二位は「男はつらいよ 」
そして一位は「幸福の黄色いハンカチ」'77と答えます。
という訳で「幸福の黄色いハンカチ」に一言
舞台は北海道の網走刑務所から始まる。ここを全国的に有名にしたのは(高倉健)
さんの網走番外地シリーズ('65~'71)が大ヒットしたから、日本の最北端という
地の果てに極悪人を島流したというイメージも強烈であったからだ。
6年の懲役を終え島勇作(高倉健)は出所した。男は迷っていた、このまま
札幌か東京に行ってしまうか、それとも別れた妻が住む炭鉱の町夕張へ行くか。
九州から出て東京で働く花田欣也(武田鉄也)は日々の生活にムシャクシャして
北海道の旅に出かけた。自慢のマイカー赤いファミリアで女の子をナンパするのが
主たる目的。時は1977年、私もそうであった70年代の若者は濃く肉食派であった。
列車内の売り子である珠美(桃井かおり)は失恋のキズを癒すため、北海道旅行に
来ていた。道中、欣也の誘いを受け彼の車に乗ってしまった。また、ひよんなこと
から島勇作も花田のファミリアに同乗し、三人の旅が始まった。
いやはや面白い! 珠美とやりたい欣也の魂胆がみえみえで、隙を見ては迫るが、
その度珠美は大泣きする。島もあきれ「女は弱いものだと」欣也に説教する始末。
帯広で欣也はヤクザに絡まれる、島の腕っ節で助けられ、車を飛ばして逃げるが、
島は無免許で警察に逮捕されてしまった。彼が刑務所出であることがバレてしまう。
島は若い時九州の炭鉱で働いていたが、いっぱしの悪ガキであった、そんな自分に
嫌気をさし北海道の夕張炭鉱に来た。しかし孤独な日々、そんな島を救ったのは、
光枝(賠償千恵子)との出会いであった。平和な夫婦生活が続いたが、ある時
喧嘩で人を殺してしまったのだ。
島が何故夕張を目差すのか?刑務所から元妻に出した手紙「まだ一人暮らしで、
自分を許してくれるなら家の前の柱に黄色いハンカチをぶら下げてくれ」という
ものだった。
しかしそれを見る勇気がない、やはり自分は去るべき男だとの思いが交錯して、
行くのをためらっていた。二人は島を励まし、無理に夕張へ引張って行った。
果たして結果は? のぼりに無数の黄色いハンカチが風になびいていた。
広大な北海道の草原を赤いファミリアが走る旅情が何とも言えぬ!
その中で人と人との人情話が展開する、だからロードムービーは面白いのだ。
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