「ミケランジェロ・プロジェクト」2015のコメントを書いていたら、
同じテーマの昔の作品「大列車作戦」1964と、ついつい比較してしまった。
そして1960年代に戦争の名画が集中していることに改めて気が付いた。
「ナバロンの要塞」1961,「史上最大の作戦」1962年、「大脱走」1963年、
「バルジ大作戦」1965,「荒鷲の要塞」1968,などなど凄い名作ばかりである。
まだ10代だった私は映画にワクワクし見た後はミリタリー・フィギュアで遊び、
正に至福の時を過ごしたものです。
その中で「大列車作戦」=原題「The Train」は少々異質であった。
モノクロで超リアル、内容もナバロンや大脱走の様な「遊び」が無いシリアスな
大人の映画であった。これは(フランケン・ハイマー)監督の硬派な男くさい
社会派的性向によるものである。
同じ硬派な男くさい俳優(バートラン・カスター)と馬が合ったのか、何作も
コンビを組んでいる。今作はフランスの国鉄操車責任者ラビシュを演じた。
内容はドイツ占領下のパリ、敗戦濃厚なドイツはフランスの名画、ゴッホ、
ゴーギャン、ルノアール、ピカソ、ロートレックなどをドイツに運び、その売却
資金で再興を期そうとした。
名画の輸送を何とか阻止しようとするフランス国鉄職員、彼らをを見せしめの
ために次々銃殺するワルトハイム大佐、彼は絵のためドイツの傷病兵をも犠牲
にする有り様だ。正に美術品と人命とどちらが大事なのか?
絵画に深い憧憬を持ち執拗に愛し、何としてもドイツへの移送を図るワルト
ハイム大佐(ポール・スコフィールド)とラビッシュとの男同士の一騎打ち映画
でもある。最期の言葉が象徴的だ、絵の価値を知らないラビッシュに対して
「何故、自分が苦労したのか言えないだろう」と言い残した。
ローアングルから撮影する機関車の暴走、脱線、衝突シーンは凄い迫力だ。
そしてロングで上空から撮る駅や列車の連続爆撃シーンはCGなの無い時代、
膨大な量のダイナマイトで実物貨車を破壊したのだ。この迫力は見ものですゾ。
他にフランスの大女優(ジャンヌ・モロー)88才で存命、名優(ミシェル・シモン)
が共演。
これでまた当時の戦争映画にハマりそうだ。DVDで再見しなければならない
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