1960年代の戦争映画についてコメントしてきたが、そろそろ
終わりにと思ったら、一つ忘れてはいませんか?と思い出し!
これだけは書かねばとの義務感で「ナバロンの要塞」1961に一言。
ギリシャのエーゲ海に浮かぶナバロン島にはナチス・ドイツの頑強な
要塞が築かれていた。100mの絶壁から突き出た2門の巨大
な大砲は連合軍戦艦を悉く沈没させた、このためにケロス島に
駐留した2000名の英国兵は孤立し、危険が迫っていた。
正攻法では難攻不落と判断した連合軍は、6名の特種破壊
チームを編成して、要塞に潜入し巨大大砲を中から爆破する
作戦を立てた。
このスペシャリスト・チームが良いんですワ、みな大物スターである、
米国からマロリー大尉役(グレゴリー・ペック)、ロッククラーマーで
あり、100mの絶壁を登に必要な男、ギリシャ語に堪能であること
から選ばれた。
G・ペックは私にとって当時米国俳優でNO1であった、男らしく、
ハンサムで、理知的で理想の男性像であった。すでに「ローマの休日」
1953で女性にはあごかれの的であった。
英国軍、ミラー伍長役(ディビット・ニーヴン)火薬・爆弾のエキス
パート、私にとって最も好きな英国俳優で、英国紳士をやらせたら
天下一品、いぶし銀の名わき役者である。
元ギリシャ軍大佐で武闘派スタヴァロ役は(アンソニー・クイン)、
彼はこの映画で圧倒的な存在感を示した。メキシコ生まれの独特の
風貌で民族系の映画で必須の役者、「革命児サパタ」、「道」
「アラビアのロレンス」の酋長、「砂漠のライオン」などアラブ系も多い、
この人が出ると映画が締まる。
メカニックの専門家でナイフの名手ブラウン役(スタンリー・ベイカー),
この人英国人だが、この映画以後、私にとって気になる俳優となった。
いわゆる性格俳優で、どちらかというと敵役が旨い人である。
あとギリシャ人でナバロン生れの殺し屋ババティモス(ジェイムズ・ダレン)
この後良く人気テレビドラマ(タイムトンネル)などに出演していた。
最後にフランクリン少佐役(アンソニー・クレイル)、この人チームリーダー
でありながら、初っ端に崖で怪我をして最後まで足手まといの損な役を
演じた。この哀れさが妙に心に残り、爾後何かと注目していた役者。
「アラビアのロレンス」1962,や「ローマ帝国の滅亡」1964で脇役好演。
地中海の風俗もたっぷり味わえる傑作であります。DVDで再見を!
原作はアリステア・マクリーン、監督はJ・リー・トンプソン
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