アカデミー賞メジャー4部門、堂々受賞した映画「英国王のスピーチ」に一言。
俳優は旨いし、格調は高いし、ユーモアはあるし、心温まるし、歴史的だし、
そして映画の原点、面白い!アカデミーを獲るべくして採ったという映画です。
あと王妃役(ヘレナ・ボナム=カーター)に、今までの数々の実績を評価して
助演女優賞を上げたかったナ~。多分審査委員は独占し過ぎを避けたのだろう。
言語聴覚士役(ジェフリー・ラッシュ)は、この脚本家(デヴィッド・サイドラー)
が彼をイメージして書きおろしたと言うほど正にぴったりのキャラクターであり、
助演男優賞に相応しい究極の演技をしたけど、まぁ彼は「シャイン」'96で既に
主演男優賞をゲットしているので、まぁ採れなくてもしかたないでしょう。
英国王(コリン・ファース)、堂々たる主演男優賞!国王という威厳を保ちつつ、
吃音(きつおん)「発音の祭、第一音が容易に出せない」持ちというコンプレックス
に苦しむ王を見事に演じました。見ていて彼が王室であることを誰も疑わない演技、
彼は生粋の英国人、この役はアメリカ人には絶対できませんワ。
監督も英国人ロンドン生まれのトム・フーパーさん。
時はヒットラーが台頭した1936年頃、世界戦争が迫っていた、英国王の死去により
兄エドワード8世が即位するも、英国教会では許されぬ相手、米国人シンプソン
夫人との恋愛を選び、いとも簡単に退位してしまった。いわゆる「王冠か恋か」の
選択である。これも映画になりそうな題材ですネ。
英王室は本当にドラマティックですネ、このシンプソン夫人といい、故ダイアナ妃
といい、カミラ夫人といい、元アンドリュー王子妃セーラファーガソンといい、ある
意味スキャンダルに筋金が入っている。それに比べて日本の皇室は品格高潔ですヨ。
話をもどして兄の退位により、ジョージ6世が即位するが、彼は幼い時から吃音持
であった。国王の一番大事な使命は国家元首として国民に語りかけ元気付けること
である。また世界の元首に自国の立場を堂々と述べることである。しかし彼は吃音
でありそれが出来ない。権威ある医者たちの治療では治らなかった。
王妃(HB・カーター)はオーストラリア人で腕の良い町医者(G・ラッシュ)の
噂を聞き、探し出してきた。いよいよ王と医者とのトレーニングが始まった。
これは権力者といえども一人の人間、家族に支えられてハンデキャップを乗り
越えるハートウォーミング&ユーモアドラマである。お勧めの秀作であります。
P.S 2007年「ザ・クイーン」でエリザベス2世女王を演じたヘレン・ミレンが
アカデミー主演女優賞を獲得したが、アカデミー委員会は英国王室に弱いのかも?
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