「豪華絢爛」という言葉はこのことだ!
フランス政府の全面的な協力の下、ヴェルサイユ宮殿で
大規模な撮影が行なわれた! と「ちらし宣伝」があった。
ヴェルサイユといえば、時の絶対権力者フランス王ルイ14世
が贅沢の限りを尽くし建てた城、私も数年前に観光したこと
がある場所。「豪華絢爛」という言葉はこの城のためにある
言葉だ。
観光の時、宮殿に実際に住んでいた王侯貴族達の生活ぶりは
宮殿の壁に掛けられた絵画によってしか想像できなかった。
しかし今般、ここで「マリー・アントワネット」が撮影が
許されたと聞き、劇場に直行した次第。
今、欧州はユーロー経済圏をつくり、通貨統一を図った。
パスポートも不要で、まるで一つの国の様だが、この映画を
見る限り、昔から、まるごと親戚同士だったのですね。
マリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)は
オーストリア王国、いわゆるハプスブルグ家からフランスの
ブルボン王朝の皇太子(後のルイ16世)に政略結婚で嫁い
できたのです。
たった一人で、しかもマリーは14才、ルイは15才であった。
マリー皇太子妃の役目はたった一つ、一刻も早く男子の世継ぎ
を作ること、それによってオーストリアとフランスは完全な
同盟関係となれるのだ。しかし事はスムースに運ばなかった、
ルイ皇太子はなかなか、手をお出しにならなかったのだ。
世継ぎが出来ぬ回りの冷たい視線に、マリーのストレスは
絶頂に達した。ストレス解消のため、甘いケーキやお菓子の
やけ食い、靴の収集、高級品のやけ買いに走り、取り巻きを
集めてのパーティー三昧の生活となった。
この映画のテーマはピュアな心のマリーが大きなプレッシャ
ーにめげずに生き生きと派手に楽しく過ごす宮廷の日々でした。
ピンク貴重の色彩とポップな音楽で画面一杯でした。
後に無事、男と女の子供に恵まれ、堂々たる王妃となるですが、
相変わらず贅沢三昧の生活は続けられた、しかしフランスの
国家財政は破綻状態、民衆は貧困と重税に苦しんでいたのです。
あえて監督のソフィア・コッポラは政治背景や、この後起こる
悲劇的歴史を一切排除した。
悲劇的な歴史とは学校の世界史で習った、「バスチュー監獄
の襲撃」からフランス革命が勃発し、王一族は逮捕監禁され、
ルイ16世はギロチンで首をはねられた。そしてマリー王妃も国庫
浪費の罪で、ギロチン台へ。女にも拘らず首を落されたのは、
パンを求める民衆に対し「パンが無いなら、ケーキを食べれば良い」
との一言が、民衆の反発と憎しみをかったからでしょう。
その昔、池田隼人首相の「貧乏人は麦飯を食え」発言が物議を
かもし、最近では柳沢厚労相の「女は産む機械」発言で国会が
大混乱となったが、マリー・アントワネットもあの発言なかり
せば、生きていれたかもしれなかったのに・・・
歴史は教えてくれます、「口は災いの元」「沈黙は金」ですネ。
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