最近、日本の火山活動が活発である。
現在、鹿児島県口永良部島(くちえらぶじま)は避難中、
箱根山と桜島は入山規制、西之島は噴火で領土拡大中、
まるで日本沈没(1973)前夜の様そうである。
昨2014年9月27日、長野と岐阜県境の御嶽山が突如噴火し、
戦後最悪の被害が発生した。その時、山小屋に逃げ込めた
登山者は運よく救われた。
登山者にとって山小屋はイザという時の「避難場所」であり、
登山者がめざす道標であり、憩の場でもある。
ということで奥秩父(映画では立山連峰)の山小屋を舞台に
人間模様を画いた「春を背負って」2014に一言
原作は山岳小説の旗手(笹本凌平)氏の「春を背負って」、
春が来ると冬季閉じていた山小屋の開業のために食糧や
重い必需品を背負って登山をする意味である。
そして脚本・監督は、これまた山岳映画の巨匠(木村大吉)
ですもの、正に山・山・山
大吉監督の前作「剣岳 点の記」2009年には驚愕した。CGや
ヘリの空撮影を使わず全て実登山し山頂で実撮影をやり遂げた。
今作も同じ方法で3000mを実登山・実写を敢行した。
大吉さんの、このホンモノ姿勢は1977年に新田次郎原作
「八甲田」の撮影カメラマンを務めた経験によるものと思われる。
さて東京の国際金融会社のトレーダー長峰亨(松山ケンイチ)
は父(小林薫)の葬儀のため故郷に帰った。
母(壇ふみ)は山麓で旅館を経営していたが、父が管理して
いた山頂の山小屋の方は廃業するしかなかった。
亨は会社を辞め、山小屋を引き継ぐことを決心した。
とはいえ、山に関して全く素人である、そんな時不思議な山男
多田吾郎(豊川悦司)が現れた。彼は亨の父への恩返しの
意味で、山小屋経営の手伝いと、山の指南をはじめたのだ。
また父に山で救助されて以来、ここに住み着いている女性
(蒼井 優)と3人で山小屋の運営をはじめたのだ。
登山客との人間交流と遭難事件を通して亨は成長する。
私の印象だが、亨は、今まで一流トレイダーであったはずだし、
父の跡を継いで周囲の皆が期待している訳だが(松山ケンイチ)
に若者らしい覇気が見えない!ゆるい演技に少々不満が残った。
(蒼井 優)は すごく良かった。しかし最近売れっ子の
(黒木 華 )と外見もキャラクターも重なってしまい、老境の
私には見分けがつかなくなっているのが気になった次第。
しかしさずが木村大吉の撮る山岳シーンは驚異の大自然、
家のソファに座ったままのDVDでも、一見の価値があります。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。