東京から離れ田舎の自然に触れると、人間性をとり戻し皆おだやかになる。
そんな映画を地方の風景・風俗をたっぷり取り入れ、ご当地の全面協力を
得て作ることが多い。
と いう訳でご当地映画「HOME 愛しの座敷わらし」(2012)に一言。
私も昔東京で働いていたのに、今上京して山手線のラッシュアワーに乗ると
少々恐くなる、無言でつり革につかまっている乗客の顔は恐い。あきらかに
疲れ果てたサラリーマンや登校拒否を考えている子供に見えるからだ。
東京の食品会社に勤めている高橋晃一(水谷豊)はごく普通の一家である。
しかし、どうも中学生の長女(橋本愛)は学校でイジメにあっている様だ。
小5の長男(濱田龍臣)はゼンソク持ちで運動や活動が制限されている様だ。
母(草笛光子)は兄家族から晃一家族に押し付けられた格好である。
突然晃一は東北営業所に転勤となり、家族ともども盛岡へ引越しすることに
なった。どうも彼の開発商品が売れず左遷された様だ。
晃一は何を考えたか? 家族に相談もせず、町から離れた田舎の築200年の
古民家を借りてしまったのだ。妻(安田成美)も家族も戸惑った。なにしろ
水洗トイレでなく風呂もマキで焚くなど大変不便、家族は皆不満な様子。
しかも夜中にぴたぴた音がしたり、鏡に顔が写ったり、囲炉裏の棒がゆれたり、
掃除していてコンセントが抜かれたり、何かがいる「気配」があるのだ。
な・な・ななんとこの家には「座敷わらし」が住んでいたのだ。
東北岩手と言えば、わんこそば否! 民間伝承こどもの妖怪「座敷わらし」で
ある。宮沢賢治のざしき童子(ぼっこ)の話は有名、大きな座敷で輪になって
子供が10人で遊んでいると、いつのまにか11人いる、しかし誰が増えた子が
わからないなどなど・・・・遠野に行くと「語りべ」がいてお話が聞けます。
岩手県金田一温泉「緑風荘」は座敷わらしが出る家として有名だったが、
最近火事で焼けてしまった。
いずれにせよ「座敷わらし」は福の神である。家族は田舎の生活に慣れてきた。
仕事も順調、こどもに友達もでき、連帯感も生まれる家族再生ドラマである。
原作は萩原浩の「愛しの座敷わらし」、監督は「相棒」の和泉聖治、
草笛光子さんが旨い、品が良く、少々認知が出てきた姑役を好演してました。
それにしても、映画では安田成美が女房、実生活では伊藤蘭が女房とは
水谷豊がうらやましい。
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