歴史に全く詳しくない私、であるが
前々から疑問に思っていたことが一つありました。
独裁者「アドルフ・ヒトラー」の下のドイツ国民のことであります。
そもそもドイツが第二次世界大戦に入って行くのは、第一次世界大戦に
破れたドイツ国家に巨額な戦争賠償金を課せ、フランスに領土の一部を
占拠され、ドイツ紙幣マルクは下落、世界経済は大恐慌、国民が貧困で
生きていけなくなったことが原因であった。
ドイツ国民の困窮と怒りを代弁し、英仏に対する防衛戦争として突入した
ヒトラーに、ドイツ国民が従がったことは理解できます。
しかしユダヤ人や、ポーランド人を人種根絶やしすべく、ホロコースト
大量殺戮を実行したヒトラーに対して、身をもって反対し、戦ったドイツ
人がいなかったことを不思議に思ったものです。
もちろん、ヒトラーの身辺には護衛隊もいただろうし、狂信的な親衛隊も
いて厳重な警護をしていたでしょう、秘密警察ゲシュタポは反ヒトラー
勢力を逮捕し、邪魔者は抹殺したと聞きます。
しかしネ、いやしくもドイツは当時から先進国で欧州の大国であり、
キリスト経文明国であり、歴史もあり、文化もあり、優れた芸術もあり、
知的階級もいだだろう、しかも隣国バチカンはローマカトリックの本山
ですヨ。
狂気のヒトラーの鬼畜的行為に対して、人道上「強力」な反対勢力が
あってしかるべきと思っておりました。
この映画を観て、やっぱりそんな人達もいた事は判りましたがネ、
これは歴史に残るほどの大きなヒトラーの反対勢力でないですネ。
というわけで「ワルキューレ」に一言。
ワルキューレというのは北欧神話の女神の戦士で、ワグナーの歌劇で有名、
万一、ヒトラーに対する反乱が起こった場合、その反乱軍を鎮圧する
シュミレーションを「ワルキューレ作戦」と称して準備されていた。
ドイツ将校のシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)はその作戦
を逆手にとって「ヒトラー暗殺」を企てたのだ。
しかし皆さんご承知の通り、歴史の事実が示す通り、ヒトラーは暗殺されな
かった、ということは作戦は失敗したということだ。
実行部隊は彼と秘密結社の軍人たちだが、かなり上層部の将軍クラスもいた。
そのくらいだと、ヒトラーを刺し違えまで覚悟すれば必殺であったと思うが。
観ていて思った、秘密結社反乱軍の将校は皆名門貴族階級出身のエリートたち
ヒトラーを軽蔑しているが、彼を恐れており、皆腰が引けているものネ。
反乱が失敗鎮圧された時、主役を含め皆、降伏投降、誰も「腹を切らなかった」
これでは成功しなかったはずですワ。
歴史を知らない私でもわかる、革命や反乱や刺客は全て下層階級が成したもの
である。
監督ブライアン・シンガー、 脚本クリストファー・マッカリー
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